4.大阪の果樹
「温州みかん」「ぶどう」「くり」は、大阪を代表する三大果樹と呼ばれています。それぞれの栽培の歴史は古く、江戸時代までさかのぼることができます。  この他、いちじく、もも、かき、うめ、なし、びわ、すもも、ゆずなど多くの種類が栽培されています。温州みかんは、価格の低迷や消費者嗜好の変化等により、近年栽培面積は減少していますが、くり、いちじく、ももの生産量は横ばいで推移しています。また、花きや植木などは全国的にも古い産地があり、高い栽培技術を誇っています。

近年の消費者嗜好は少量多品目、高級化に移り、それに加えて健康、安全志向が強まっています。こうしたことから、より商品性の高い果実の安定生産とブランド化が求められています。  農家の中には、都市近郊の立地を生かして、観光果樹園や沿道での直販、宅配など様々な販売を試みています。
●三大果樹の主要産地
みかんは、泉州地域と南河内地域に集団産地が形成されています。大阪は、以前に食味濃厚な貯蔵みかんの産地として知られていましたが、消費の減退とともに、現在では大規模な貯蔵は行われていません。また、ハウスみかんの栽培技術が、全国に先駆けて確立したことでも知られています。  ぶどうは、河内地域に大きな産地が形成されています。特に種なしぶどう(デラウエア等)の集団産地として有名です。しかし、最近では消費者嗜好の多様化等に対応して、巨峰やピオーネといった大粒系ぶどうの栽培も増えています。  くりは、豊能地域が主要産地で、大粒で品質の良い品種「銀寄(ぎんよせ)」が有名です。